REDOGトレーニングセミナー

2023年5月4日より3日間の予定で、兵庫県三木市にある兵庫県広域防災センターにてNPO法人災害救助犬ネットワークが主催するREDOGトレーニングセミナーに、NPO法人 日本サーチドッグアソシエーションより3名・出動協定団体であるアローズ空飛ぶ捜索医療団(ピースウィンズジャパン)から2名が参加し、瓦礫捜索ならびに広域捜索についてのレクチャーと実践トレーニングのスキルアップセッションを受講してきました。

訓練をする上での基本的な理論やハンドラーのスキルアップだけではなく、victim(仮想要救助者役)の役割の重要性を再認識させられました。また、訓練設定のvictim(仮想要救助者役)からのセントコーンの作り方をセントプールを活用する方法や風の流れに対してのvictim(仮想要救助者役)の設定など。緻密な作業が求められることを再確認させられました。

緻密な設定であるからこそ、犬の告知の精度も向上し捜索精度とリンクしていきます。目には見えない臭いの流れを、どのようにコントロールするか?

また、今までの告知が如何にいい加減であるか?も今回のセミナーでは痛感させられました。但し、このいい加減な告知を教えていたのは、あくまでもニンゲン側の緻密ではない設定によるものですから、犬が悪い訳ではありません。

要救助者の臭いは、どこから流れてくるのか?犬種によってもボディーランゲージや告知の際の反応の差がある事もハンドラーは理解しなけばいけません。

告知の際の報酬も、本当にその犬にとって最高の報酬なのか?また最高の報酬にする為には、どのような与え方がベストなのか?訓練の内容を再確認して精度の高いサーチドッグとハンドラーの育成を進めていきたいと思います。

夜からのミーティングでは、広域捜索や現場での臭いの流れ方と、その臭いに対する犬種別の反応の差や、ナチュラルアラートを読み取るハンドラースキルの課題についてのお話と動画を視聴しました。

地形や気温・湿度による臭いの流れ方は、今までも理解はしていますが再度確認する事も大切な事です。スイスと日本では広域捜索では、地形に大きな差がありますが、広域捜索で使用される「ブリングセル」の告知方法は、日本でも現場によっては有効な手段の1つだと思います。

この告知方法も、丁寧に時間をかけながら犬の理解を深めていく必要があります。広域で捜索距離が延びる事もあり、ハンドラーに要救助者の発見を知らせるには犬の体力・年齢・経験値と様々な要素を考慮する必要があるようです。

今回のようにREDOGが来日し日本の救助犬をサポートして頂けることは本当に貴重な時間だと感じます。いつ発生するかわからない大規模広域災害に備えて、今我々救助犬団体は、その時に備えて何ができるだろうか?を考えた場合、2011年の東日本大震災発生時のように多くの犬と人が各地域で捜索活動に従事するためにも、日頃からの各団体間の連携訓練が最も重要だと考えます。そして、その訓練の中から、それぞれの犬と人のレベルアップと情報共有がなされ、発災時に活かされるのだと思いますし、それこそがREDOGが望んでいる事ではないかと思います。

NSAは、今後も各団体・組織・訓練チームなどと各地域で連携訓練を深め、相互にスキルアップし発災時には速やかに出動態勢を整えられるシステムの構築を進めて参りたいと考えています。

皆様の暖かいご支援を宜しくお願い致します。


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